ねじの種類,寸法,ボルト,ナット,タップ,インチ,管用,台形ネジ,加工等

 

ばね板ナット/溝付き六角ナット



ネジ用語において、”(2)ねじ部品”の分類の中で、”(f)ナット”に分類されている用語のうち、『ばね板ナット』、『溝付き六角ナット』のJIS規格における定義その他について。

一般に用いるネジ(ねじ)の”ネジ基本”及び”ネジ部品(座金・ピン・リベットを含む)”に関する主な用語として、ねじ用語(JIS B 0101)において、”(2)ねじ部品”の分類の中で、”(f)ナット”に分類されているネジ用語には、以下の、『ばね板ナット』、『溝付き六角ナット』などの用語が定義されています。

ねじ用語(JIS B 0101)
⇒【(2)ねじ部品 > (f)ナット 】


分類: ねじ用語 > (2)ねじ部品 > (f)ナット

番号: 2624

用語: ばね板ナット

定義:
ばね鋼
(※1)などの板を打ち抜いて作ったナット(付図2624)。
1山をもっているだけであるが、ばねの作用で回り止めになっている。
付図2624 バネ板ナット
付図2624 バネ板ナット

対応英語(参考):
spring nut


分類: ねじ用語 > (2)ねじ部品 > (f)ナット

番号: 2625

用語: 溝付き六角ナット(※2)

定義:
ナットの脱落防止用の割りピンを差し込む溝がある六角ナット(JIS B 1170 参照)。
次の形式がある。
(1)六角ナットの上面に溝を入れたもの[付図2625(1)]。
(2)円筒部を設け、この部分に溝をいれたもの(キャッスルナットともいう。)[付図2625(2)]。
付図2625(1) 溝付き六角ナット
付図2625(1) 溝付き六角ナット
付図2625(2) 溝付き六角ナット(キャッスルナット)
付図2625(2) 溝付き六角ナット(キャッスルナット)

対応英語(参考):
(1) hexagon slotted nut
(2) hexagon castle nut


(※1)
ばね鋼とは、炭素系、シリコンマンガン系、マンガンクロム系、クロムバナジウム系などの鋼で、主として熱間で重ね板ばね、コイルばねなどに成形し熱処理を行ってばね性を付与する鋼です。
広義のばね鋼としては、ピアノ線、硬鋼線、ステンレス鋼線、オイルテンパー線、冷間圧延鋼帯などのように冷間加工及び熱処理によってばね性能を高め、そのまま線ばね、薄板ばねなど小物ばねに成形する鋼も含みます。
JIS G 4801(ばね鋼)では、重ね板ばね、コイルばね、トーションバーなど主として熱間成形ばねに使用するばね鋼鋼材について規定されています。
JIS G 4801(ばね鋼)で規定されているバネ鋼鋼材の種類には以下の8種類が規定されています。
・SUP6(シリコンマンガン鋼鋼材)
・SUP7(シリコンマンガン鋼鋼材)
・SUP9(マンガンクロム鋼鋼材)
・SUP9A(マンガンクロム鋼鋼材)
・SUP10(クロムバナジウム鋼鋼材)
・SUP11A(マンガンクロムボロン鋼鋼材)
・SUP12(シリコンクロム鋼鋼材)
・SUP13(クロムモリブデン鋼鋼材)

(※2)
溝付き六角ナットについては、以下のJIS規格があります。

JIS B 1170
溝付き六角ナット

この規格では、一般に用いる鋼製の溝付き六角ナット及びステンレス鋼製の溝付き六角ナットについて規定されています。
溝付き六角ナットの種類は、ねじの呼び径(d)に対する二面幅(s)の大きさによって区分し、さらに形状及び高さの違いによって以下のように区別されています。

・溝付き六角ナット:
(s/d)=1.45以上、形状の区別⇒1種・2種・3種・4種、形式⇒高形・低形

・小形溝付き六角ナット:
(s/d)=1.45以上、形状の区別⇒1種・2種・3種・4種、形式⇒高形・低形

上記の(s/d)に関して、呼び径76〜95mmの溝付きナットは例外で、その(s/d)は、1.45未満になります。
また、呼び径8mmの溝付きナットは例外で、その(s/d)は、1.45以上になります。